大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第三小法廷 昭和34(オ)405 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人原定夫の上告理由一について。

原判決は、所論小屋につき贈与契約が成立したことを認定しているわけではなく、

右小屋を本件土地に移築することによつて新たに成立する建物につき贈与が成立し

たことを認定した趣旨と解すべきである。それ故、たとえ右小屋の規模構造と本件

建物のそれとの間に所論のような差異が存するとしても、原判決に所論のような違

法は存しない。論旨は、原判決の趣旨を正解しないものであつて、採用できない。

同二について。

地代家賃統制令二三条但書の「併用住宅」とは、昭和二五年七月二五日経済安定

本部令一六号による地代家賃統制令施行規則の一部改正(公布即日施行、同年同月

一一日に遡つて適用)によつて新設された同規則一一条において初めてその範囲が

示されたもので、同条によると、「事業用部分の床面積が一〇坪をこえず、住宅の

借主自身事業主であること」が要件とされている。その後昭和三一年六月九日建設

省令二四号による右規則改正で、右一一条も改正されたが、それによるも、「居住

部分が三〇坪以下で、借主自身が居住し、借主自身がその事業主であること」が要

件となつている。然るに、本件家屋は、二階が一〇坪三合五勺、階下は一二坪六合

八勺であつて、上告人(原告)の主張によると、階下は営業用部分でD及びEに賃

貸し、上告人が二階に居住しているというのであるから、右改正の前後を通じいわ

ゆる「併用住宅」の要件を具備しないことは、その主張自体明らかである。それ故、

本件建物がいわゆる「併用住宅」なることを前提とする所論は、その前提において

既に失当といわざるをえない。原判決は何ら理由のくいちがい、または審理不尽の

- 1 -

存するものでなく、論旨は採用できない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 五 鬼 上 堅 磐

裁判官 河 村 又 介

裁判官 垂 水 克 己

裁判官 石 坂 修 一

- 2 -

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!